「エンジニアって休日も勉強するって聞いたけど実際どうなの?」
「プライベートな時間はちゃんと確保したいけど周りと差ができないか心配」
このように思う方も多いのではないでしょうか。
エンジニアは技術が全てと考える人も少なくないため、休日に勉強するのが当たり前と思われているようです。
とは言ってもプライベートの時間も大切にしたいと思われるのではないでしょうか。そんな疑問を持っている方もこの記事を読むことで、下記のことがわかります。
- エンジニアが休日に勉強しているか実態を知れる
- 休日の勉強に対して会社がどう評価するかがわかる
- エンジニアが休日に勉強する理由がわかる
今回は、エンジニアとして実際に業務している僕が「エンジニアは休日に勉強すべきか」という観点で、リアルな実態をお話していきます。
エンジニアでも休日に勉強する必要はなし
結論からお話すると、例えエンジニアであっても休日に勉強をする必要はありません。
というのも、会社で必要なスキルは会社の業務時間中にできるようになるためです。むしろ、休日に勉強しないと業務がまともにこなせないなら、それは会社の責任です。
2017年に「エンジニアは休日も勉強すべき」と話題になった株式会社AXIAの社長ブログでも下記のように書かれています。
プライベートで勉強しなくても何とかなります
出典: 残業ゼロのIT企業AXIA社長ブログ
仕事をこなしていくという観点から言えばプライベートでの勉強を一切やらなくても何とかなります。たとえ未経験で入社してきた人であってもそれくらいの教育は行っています。
基本的に業務をする上のスキルは業務でつけるべきです。では、実際に休日に学習しているエンジニアはどれほどいるのでしょうか。
休日の勉強時間は1週間あたり10時間以内が7割
ITエンジニア向けの学習サービスを提供しているギノ株式会社のアンケートによると、週に10時間以内しか勉強をしていない人が約7割という結果になりました。

ただし、このアンケートを掲載している記事を読んでみると、この数字はpaizaという学習サイトを利用しているユーザーにアンケートを取っているため、実態はもう少し勉強していない人が多いだろうと予想されていました。
僕もこの時間は少し多いという印象を受けます。前職の会社を考えても若手層はスキルが足りないため休日に学習している人も多かったですが、家庭がある30代以上の方は十分な学習時間を取れていなかったように思います。
1週間10時間という学習時間を長いと捉えるか短いと捉えるかはわかりませんが、極端に長い時間を学習にかけているわけではないことがわかります。
休日に勉強しても会社からの評価は上がらない
また、意外に思われるかもしれませんが、休日に自己学習をしても会社からの評価が上がることはありません。
なぜなら、自己学習をしても直接的に会社の利益に貢献することはないためです。
例えば、休日に業務と関係のない機械学習の勉強をしても、その技術を会社で活用できるかは別の話です。むしろ、学習分野を意識しない限り、自己学習によって会社の利益を上げることは難しいでしょう。
逆に言うと、休日の学習で会社から評価を上げようと考えるなら、会社の利益に直結するような学習を進めるのがいいかもしれません。
フリーランスの単価決めも「休日の活動 < 経験年数 < 実績」
以前、フリーランスエンジニア向けの案件紹介サービスのMidworksで話を聞いてみましたが、エンジニアの案件紹介をする際にも休日に学習しているかどうかは関係ないという話でした。
その当時、僕は休日の学習を通して、
新しい技術が扱えること
エンジニアとしてLTなどでアウトプットしていること
iOSのアプリをリリースしていること
といったアピールがどのような影響をもたらすかについて聞いてみましたが、「休日のアウトプットよりも実務経験が重視される」といったことを言われました。
考えてみれば当然で、趣味の勉強はどこまで深く理解しているかが不確実なためです。
「これくらいでいいかな」というレベルの自己学習と、業務においての
- サービスの詳細な理解
- 長期的に運用するための設計
- 機能が追加しやすい綺麗なプログラム
- etcetc…
などを意識した上でプロジェクトに取り組んだ経験は理解の深さが違います。フリーランスエンジニアという性質上、スキルが求められるので休日の学習はそれほど大きな影響を与えないのです。
会社でもフリーランスでも休日の学習は評価されない
会社でもフリーランスでも休日にエンジニアが学習する点で大きくメリットはありません。
エンジニアというイメージから学習している人が多い印象を受けますが、嘘偽りのない現状としてはこれまでお話してきた通りなのです。
しかし、当然休日に勉強するメリットが全くないわけではありません。
これからは、それでもエンジニアが休日に勉強する理由についてお話していきます。
それでもエンジニアが休日に勉強する理由
エンジニアが休日に勉強する理由として、
などといった理由もあると思いますが、何よりも大きな理由は
エンジニアとして面白い仕事をするため
です。
学習は自分の可能性を広げる
エンジニアはナレッジワーカーと呼ばれるように、「時間や場所などの制約を受けずに知識により成果を出す」職業です。フリーランスやリモートワークなどもナレッジワーカーだからこそ可能な働き方ですよね。
知識により成果を出すということは、「持っている知識があなたの収入に直結する」ということです。
今すぐ収入に直結するようなスキルでなくても、今後転職などで勉強しているスキルの案件に携わる可能性も当然あります。例えば転職サイトのGreenでは、下記のような求人があります。


この求人の一部を見ると下記のように要件が書いてあります。
必須要件:JavaScriptの開発経験1年
歓迎要件:React Nativeのモバイルアプリ開発経験
もしこの求人において、React Nativeの実務経験がなくても自己学習でアプリリリースを経験していると歓迎要件にも当てはまるため採用される可能性がグッと上がるのです。
休日の勉強は将来の投資
転職は例としてわかりやすいため一例を挙げましたが、転職に限らず休日の勉強は将来の投資という観点で有効です。
- 副業で面白い案件に携わる
- 知識の幅を広げる
- 勉強会などを通じてエンジニアの知り合いを増やす
など、学習を続けていると学習をしないより様々な経験を積むことができるのです。
「エンジニアは休日勉強するべきか?」の個人的な見解
ここまでエンジニアは休日勉強すべきかについて、できるだけ事実をベースにお伝えしてきました。
ここで、現役エンジニアとして僕の個人的な見解をすると「少なくとも最初の1〜2年は勉強すべき」だと思います。
なぜなら、最低限エンジニアをする上でベースとなる知識の重要性は非常に高いためです。
エンジニアをする上で大切な「抽象化・パターン化」
例えば、PHPとJavaScriptは言語としては異なりますが、設計手法や実装などには共通している部分があります。
その共通している部分こそがベースの技術であり、Rubyの生みの親であるまつもとゆきひろさんも若手向けのエンジニア生存戦略の講演で「抽象化・パターン化」をキーワードとして挙げられています。
一つの生存戦略として見た時に汎用性を持てれば、技術の移り変わりがあったとしても不変のものを手に入れていることになります。
出典: まつもとゆきひろさんの「若手エンジニア生存戦略」講演まとめ
そういう意味でも、プログラミングの本質を早くから学ぶことを意識すべきというお話をされていました。
新たな言語習得を例に考えてみてもパターンを知ると、他の言語で学んだ経験を生かして、より短時間での言語習得が可能になるでしょう。
こういったベースの知識を学ぶためにも1〜2年は勉強する必要があるのではないかと考えられます。
まとめ
ここまでの記事のポイントをまとめます。
・エンジニアでも週10時間以上勉強している人は約3割
・休日の勉強は会社からもエージェントからも評価されない
・休日の学習によって面白い仕事に巡り会えるかもしれない
・学習を通してパターンを知る
どちらが良い悪いではありませんが、休日に勉強している人はエンジニアという職業が好きな方が多いように思われます。
もし、エンジニアとして経験がないため休日に勉強するなんて信じられない!と感じているのであれば、エンジニアの勉強会に参加すると休日に勉強しているエンジニアの空気感に触れられるのでおすすめです。
せっかくの休日を割くのは面倒に感じられるかもしれませんが、彼らの思考を知るためにも、ぜひ一度参加してみてください!
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